てんかん・眼瞼痙攣(けいれん)|桜木町・馬車道の内科「のげ内科・脳神経内科クリニック」

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てんかんとは

脳の未熟性、器質的障害、萎縮などを原因として通常の秩序ある脳電流が乱れ無秩序になる(脳の放電と考えるとわかりやすいかもしれませんね)。その結果、痙攣、静止、異常行動などの様々な症状が出現します。

1.てんかん診療のながれ

初回 : てんかんを疑うエピソードに対して神経学的身体検査、採血検査を実施。脳波検査予約します。

2回目 : 脳波検査(90分程度)を実施。採血検査の結果と合わせて説明します。てんかん波がある場合は抗てんかん薬を投与します。

3回目 : 採血検査で抗てんかん薬の血中濃度を測定します。

4回目 : 脳波検査(90分程度)を再検しててんかん波の変化を確認します。

5日目以降 : 脳波検査(年1回)、採血検査(年2回)を繰り返して発作のない状態を継続させます。

2.てんかん治療の大事なこと

  • 友人や同僚、恋人の眼前でてんかんを生じることは、患者さまに心の傷を負わせることになります。当院は、若者のてんかん再発を防ぐため、てんかんが生じなくなるまで、こまめに薬量を調節し、落ち着いた患者さまには半年毎の血中濃度測定、1年毎の脳波測定を行います。てんかん診療は高額になることが多く、これによる若者の経済的困窮や受診控えが起きぬよう、当院では「自立支援」「精神手帳」の取得を推奨しております。
  • 抗てんかん薬は副作用が強いものもあり、若年者は、発作を繰り返す場合のみ処方します。発作がみられない場合は減薬し、成人になるまでに一度は休薬を試みます。
  • 女性のてんかん発作には催奇形性のない抗てんかん薬であるレベチラセタムを選択いたします。
  • ご高齢者のてんかんは再発率が高いため、1回の発作で抗てんかん薬を開始することがあります。若年者に比べて低用量でてんかんを抑えられる場合が多いのですが、それでも副作用が出ないように、脳波と薬剤血中濃度を比較しながら慎重な投与を心がけております。
  • NCSE(非痙攣性てんかん重積)と呼ばれる、急に物の操作を忘れたり、意味不明な運動を繰り返し行うなど、あたかも急激に認知機能が低下したように見える、てんかんを生じることがあり脳波検査ではこれを容易に発見できます。当院では認知症を疑って受診された患者さんから何例ものNCSEが見つかり、抗てんかん薬で正常化しております。

3.当院で処方する主な抗てんかん薬

レベチラセタム(イーケプラ)

切れ味はまずまずながら安全性が高いことから、当院では1st Choiceです。単剤での催奇形性が低く、若い女性でも安心して内服していただけます。また多剤との相互作用が少ないことから、内服薬の多いご高齢者に対する安全性も高いと考えられます。

カルバマゼピン(テグレトール)

切れ味は抜群です。当院ではてんかん以外にも三叉神経痛や様々な神経痛に処方することがあります。いわゆる「テグレ酔い」と言われる眩暈感を生じることがあり、ご高齢者が内服する際は注意が必要です。

クロナゼパム(リボトリール)

予防系・抗てんかん薬では珍しい、ベンゾジアゼピン系(いわゆる安定剤と呼ばれる類)です。強い眠気を生じるため、眠前に用いることが多く、夜間の発作、睡眠中の異常行動に用います。

バルプロ酸(デパケン)

過去に頻用された抗てんかん薬です。抗てんかん作用の他に、気分改善効果や、片頭痛抑制効果もあり当院でも出番の多い薬剤です。

ラコサミド(ビムパット)

当院では抗てんかん薬よりも眼瞼痙攣に用いることが多い薬剤です。

眼瞼痙攣とは

片方、または両方の眼瞼が自然に閉じてしまい、眼瞼が重い、目を開けていられない、瞬目が多い、光がまぶしいと感じる障害です。顔面痙攣・眼瞼痙攣・メージュ症候群と呼ばれ、当院ではこれを内服療法、ボツリヌス毒素・ボトックス注射で対応しております。

4.眼瞼痙攣の治療法

内服療法は、クロナゼパム(リボトリール)、上述のラコサミド(ビムパット)を投与します。症状は当初は軽減しますが、数カ月後に再発して徐々に内服を増えて、最終的にはボトックス注射を選択される患者様が多いです。

内服療法は、クロナゼパム(リボトリール)、ラコサミド(ビムパット)を投与します症状は当初は軽減しますが、数カ月後に再発して徐々に内服を増えて、最終的にはボトックス注射を選択される患者様が多いです。

ボトックス注射はボツリヌス菌の筋弛緩作用のある毒素のみを抽出した薬です。目の周りや口の周りにボツリヌス毒素・ボトックスを注射することで症状を改善します。効果は2~3ヶ月間持続するため、3カ月毎に注射することで症状の改善を維持することが可能です。最初は少なめに注射して、2カ月以降に投与量を調節してゆきます。数回注射することで、投与間隔が徐々に広がる傾向があります。

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